それで、その字幕を見ながらふと思った事を。
この「MY COLOR」のサビの歌詞
手のひらが世界中 繋ぐウィンドウを見るとスマートフォンで人々がつながっていくことをテーマにした曲というのがわかります。ただ"スマートフォン"という言葉は使われていません。「世界中つなぐウィンドウ」とか「指先でつかむ」とか「ちょっとだけスマートに」といったところから、「手のひら」がスマートフォンだなと想像できます。ここの"手のひら"と表現したのが多義的が特徴のPerfumeの曲らしいところで、ライブではせーので手を挙げるというパフォーマンスによって、違うイメージを持たせることにもなっています。
指先でつかむのはどの未来?
空を飛び交う 光になって
こんなワクワクも届くのかな
人から人へ繋ぐコミュニティ
ちょっとだけスマートにいきたいの
愛のメロディー つめこんだまま
今日も会いに行くよ
さて、ここの「手のひらが世界中 繋ぐウィンドウ」の部分をskymodsさんは「Our palms are like windows reaching to the world」と訳しています。「手のひら」は英語で「palm」ですので直訳でそうなりますが、"Palm"というと90年代後半から2000年代前半に一世を風靡したPDAの名前でもあります。スマートフォンはかなり乱暴にいうとPDAに電話をつけたようなもの。つまりPalmは今のスマートフォンのご先祖様にあたります。
つまり、日本語では"手のひら"というとかなり比喩的な表現ですが、英語にすると"Palm"という商品名に使われた単語になって、具体的なイメージになる。私はネイティブでないのではっきりわかりませんが、おそらく、特に米国の人が聴くと、さすがにデバイスとしてのPalmのことを歌ってるとは思わないでしょうが、そこにかけてると思う人は多いのではないでしょうか。
というところから遡って考えると、中田ヤスタカはPalmへのオマージュとして"手のひら"という表現にしたとも考えることが可能です。
さすがにちょっとこじつけすぎというか、考えすぎだという気はしますが、もしそうだったら面白いなと思いました。