それを再び思い出させたのが、ドリカムの「時間旅行」だった。ドリカムとの出会いは忘れもしない1989年3月3日。なぜ日付まで覚えているかというと、当時毎年3月3日に行われていた「ひな祭りコンサート」に出ていたからだ。そして、その月の確か26日だったと思うけど、渋谷のCLUB QUATTROでのデビュー記念ライブを見に行った。MCで、吉田美和から”デビュー当時からのファン”認定されたのが、今や誰も興味を持ってくれない自分の中だけの自慢だ。そして「時間旅行」の収録されているアルバム「Wonder3」くらいまで熱心なファンをやっていて、そのうち理由は自分でもよくわからないが、いやわからないというのは一部うそだが、ドリカムは聞かなくなっていった。そういえばまた話はそれるが、ドリカムワンダーランドの一番最初のやつは、豊洲埠頭の先で行われた。まさかその10年後にその近くに住むことになるとは想像もしなかったが。
ドリカムを聞かなくなっていくのにあわせて、再び金環食のことは記憶の奥底にしまわれた。昨年あたりに再び掘り起こされるまで。
金環食の前日、東京女子流のライブが日比谷野音であった。彼女たちのデビュー曲「キラリ☆」に次のようなフレーズがある
そうさ僕達はどんな夢も叶えられるさ
この空は遥か彼方の未来にいる君の元に繋がってるよ
この曲を歌う女子流を見ててふと、逆の視点で思いが浮かんだ。明日見上げる空は、天文少年だった自分、ドリカムのファンだった自分から繋がっているんだ。
2012年5月21日午前7時30分、うちのベランダから空を見上げるとはっきりリングになった太陽が雲の隙間から出てきた。その太陽を見ながら、昨日の晩思ったことが浮かんできた。この空は、過去の自分と繋がっているんだ。そう思うと涙が出てきた。