優勝は5人組の「就職氷河期」。チーム名は5人中4人が就職浪人なところからで、オフィスの仕事をベースにした振り付けは決勝に出た10組の3次審査の動画の中でも特に印象に残ってたチームの一つでした。といっても正直、優勝をするとは思わなくて、取って特別賞くらいかと予想してました。
ただ実際優勝したのを見ると、ああ審査基準がそこにあったのねと納得。その基準でいうと確かにダントツだと思います。あるいは、このチームの存在が審査の流れを変えてしまったといえるかもしれません。
ちょうど来月MIKIKO先生が結成したダンスカンパニー、イレブンプレイの公演が予定されていますが、それに関連したインタビュー記事の中でMIKIKO先生が次のように答えています。
――ダンス、身体表現の面白さを一言で表すと?Perfumeの振付師MIKIKOの新たなる挑戦! ダンスカンパニー「イレブンプレイ」と初公演「dot.」に迫る | white-screen.jp
ダンスって、本当にある程度トレーニングすれば誰にでも出来るんですけど、ある一定のレベルから先はその人の性格や内面が全部出てしまうのが面白い。同じ動きをプロのダンサー5人がやったら、もちろん振りは揃いますけど、そこから先は「この人こういう性格なんだなー」とか「こういう恋愛するんだろうなー」とか内面が醸し出される。それはまさに、アナログでしか出来ない面白さですよね。
つまりダンスの技術やPerfumeっぽいかではなく、いかに自分の内面を表現したかって所に審査基準はあった、あるいは、審査基準がなったのです。
GLITTERの課題曲として公開された部分の歌詞は次のようになっています。
なんでもきっとできるはず
そんなに簡単に言うけど だって でもね Uh
やんなきゃきっと 変わんない
そんなの大体わかってる けどね でもね
ころぶのは簡単で 減んないしカロリーは
立ち上がる のには いるの GLITTER
キラキラの夢の中で 僕たちは約束をしたね
その日がいつかくるまで 泣かないよ 思い出すよ
キミを
この歌詞を聴いたとき、「就職氷河期」のメンバーは自分たちの現在の境遇と重なって見えたんじゃないでしょうか。そして自分の思いを託すように、オフィスでの仕事をテーマにした振り付けにした。彼らのダンスが印象的なのは、コミカルな動きではなく、その内面がにじみ出ているからなんだと思います。
私の理解できる範囲では、単なる”振り付け”でなく自分たちを反映させた”自己表現”の作りをしていたのは10組の中でこのチームだけ。次元の違うところでパフォーマンスしていたんですね。審査員満場一致で優勝に決まったのも納得できます。
ラベル:Perfume
自分もPerfumeTシャツを造ってライブに参戦しているので、ブログを拝見させてもらっています。
自分は、今回のダンスコンテストの会場にいたのですが、自分も全くの同意見です。
決勝に残っている時点で、どのグループもダンスは上手いしPerfumeのファンという事もあり各グループなりのフォーメーションを考えてきて素晴らしかったです。
だからこそ、その中から抜きん出るには真似をするのではなく、自分自身を表現することだったのだと思います。
その点では就職氷河期の皆さんは群を抜いていましたよね。
最後にPerfumeと一緒にダ踊っていた姿はとても感動的で涙ぐんでしまいました。
そして、あの会場がとても幸せな世界だったことは言うまでもありませんでした。