それで前から思っていたんですが、Perfumeのライブにいくと、観客視線で考えられているなぁと感心することが多いです。そして、そうなった理由の一つとして、「長い下積み生活」があるんじゃないかと思ってます。
何事にもいえることですが、同じものを見ても、問題意識を持っているのといないのとでは見え方が違ってきます。ライブにしても、一般人が見るのと自分もライブをやるプロが見るのとでは、自ずと視点が違ってくるはずです。ここまでは当たり前の話ですが、ライブの場合問題意識とは別に、物理的に視点が違う、要するに見ている場所が一般の客と違っている場合が多く、これが観客視線で考えることの障害になっている場合があるのではないかと思います。
どこかのインタビューで、あ〜ちゃんが「のっちが武道館の2階の後ろの方で見たときに、MCが聞きづらかったといっていた」というようなことを言っていましたが、これはのっちが一般の客として武道館へライブを見に行ったことを表しています。業界の事情はよくわかりませんが、といいつつ、実は知り合いがサポートメンバーで出演したライブに関係者枠で何回か入れてもらったことがあったりしてその時の感じからしても、売れないアイドルユニットのメンバーが関係者としてライブに入れてもらえることはあまりなかったのではないでしょうか。
となると、見たいライブは一般の客として見ることになる。それによって見にくい、聞こえにくいとか、こういわれるとうれしい、楽しいあるいは残念に感じるとかをお客さんの視線で感じることが出来たのではないかと思います。もしかすると、周りの一般のファンが演出で使った銀テープをライブの記念に嬉々として持って帰るのを目撃したかもしれません。(*1)
皮肉なことに、その体験は売れなかったからこそ可能でした。最近よく思うのは、やはり今のPerfumeになるためには9年間という年月が必要だったということです。あ〜ちゃんが最近よく「青春全てをPerfumeに費やした」と言っていますが、だからこそ、他には簡単に真似出来ないんだと思います。
(*1)武道館ライブの時の銀テープには3人からのメッセージが印刷されていました。
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