土曜日にやってるBS-iドラマの東京少女シリーズ。1月のヒロインは日向千歩ですが、この前やっていた第3話の「東京的少女」(http://w3.bs-i.co.jp/tokyogirl/story42.html)がなかなかの佳作でした。
年齢も職業も全く違う2人の地方出身者が偶然出会い、なかなか東京になじめない寂しさを共有することで心を通わせる。しかし、主人公のちょっとした見栄が原因でその関係が壊れてしまう。後悔、自責の念、友情、共感、相手への思いやり。
監督は保坂大輔監督。保坂監督はかつて「TOKYOかしましガールズ」で、初ドラマ出演の大政絢のぎこちなさを、うまく主人公の後ろめたさによるぎこちなさに見せていました。同様に、主演の日向千歩の演技はまだまだぎこちないのですが、そのぎこちなさを「東京にまだ馴染めない」感に摩り替えています。
特に派手なエピソードがあるわけではありませんが、主人公の心の動きを描いていくこの作品は、見終わった後ホッとした気持ちになります。脚本は中江有里さん。このシリーズの中江さんの作品はこういった内省的なものが多いのが特長です。
こういったドラマは、ありそうでなかなかないような気がします。「東京」と「少女」というテーマと30分一話完結というこのシリーズのフォーマットならでわの作品ではないでしょうか。
以下ネタばれです
あらすじ
両親の仕事の都合で徳島から引っ越してきた千歩は、東京になじ
めずにいた。クラスメイトは親切にしてくれるが、自分の訛りが
気になって会話に参加できない。
ある日千歩は、初めて入ってみた原宿のカフェで、不動産会社に
勤める豊田に話しかけられる。香川出身の豊田は、千歩の徳島弁を
聞いて親近感を感じ声をかけたのだ。最初は警戒していた千歩だが、
やがて豊田が心の中に自分と同じ東京になじめない寂しさを抱えて
いることを感じ、時々会ってお茶をしながら話をするようになる。
そんなある日、千歩はクラスメイトから豊田ともう会わないように
と忠告される。クラスメイトは、千歩が豊田に騙されていると思っ
ていた。千歩は付き添ってきたクラスメイトに言われるがまま、も
う会わないと豊田に告げる。
この出来事をきっかけに、クラスメイトと打ち解けることが出来た
千歩だったが、一方ずっと豊田のことが心に引っかかっていた。つ
いに豊田の勤める会社に謝りに行くが、豊田は前日付けで香川に転
勤になっていた。
帰り道を呆然と歩く千歩の目に豊田が話していたラーメン屋が見え
た。ラーメンを食べながら涙が止まらない千歩に声をかける人物が
いた。職場に荷物を取りに戻ってきた豊田だった。千歩は豊田と再
会の約束をする。