こっからネタばれ
片思いの相手の中村から友達のマリコのメアドを教えて欲しいと
頼まれたななみは、自分のメアドを教えマリコに成りすます。と
ころが、マリコが中村を好きになってしまい、中村のメアドを教
えて欲しいと頼まれる。成りすましがばれるのを恐れて、ななみ
はマリコにも嘘のメアドを教え、中村に成りすます。やがて、成
りすましばれてしまい、ななみは親友と片思いの相手両方を失っ
てしまう。
最初タイトルを見たときは、「鏡の国のアリス」のパロディかと思ったんですが、成りすましを「鏡」といってるんですね。
最終的に主人公1人が悪者という結末なんですが、ちょっとした嘘による刹那的な喜びとその代償として取り返しの付かない状態に発展していく悲劇と主人公の苦悩、でもどこかおかしいさまをコメディでもなく、説教くさくもなく淡々と描いていて、見終わった後不思議な感覚が残ります。
保坂監督の脚本といえば、大政絢のドラマデビュー作の「東京少女 TOKYO かしましガールズ」が結構好きなんですが、あれも自分のせいで植物状態になった友達の意識を取り戻すためにコントをやり続ける少女という、笑っちゃいけないけど笑えるそして最後にホロッと来る不思議な話でした。
保坂大輔監督の問題意識って、そういう物事の2面性にあるのかもしれません。物語の最後にマリコから送られてくる「ななみのしたことは許せないけど、(結果的に中村と付き合うことになって)感謝はしている」というメールが、それを端的にあらわしているように思います。